探偵日記

探偵日記 11月01日火曜日 雨

朝の散歩は本降りの中、しめしめ。と思っていたら案の定25分程度で終了。タイちゃんもつまらなかったのだろう、高架下を往復しただけで帰宅した。シャワーを使っていたら調査員から電話。3か月以上かかった調査がやっと報告出来る状況になった。早々に支度して機嫌良く事務所へ。顧問弁護士の葬儀は昨日の告別式で終わった。ショックだったが、悲嘆にくれて泣いてしまうことはなかったが、一人息子の挨拶を聞きながら思わずじ~ンときてしまった。大学の法律学科を終え、弁護士登録をするまでに10年近くかかった苦労の人でもあったが、誠実に職務を全うする姿をしっかり息子に見せて逝ったのだと思う。笑顔の良い人だった。

ロマンチックな恋の結末 3

調査に先立ち、被調査人のことも詳細に聞いた。探偵の僕としては、そうする間に依頼人の心境も何となく分かってくるし、ここは大事なところだが、依頼人の(この調査に賭ける意気込み)も計れるのだ。依頼人の妻(母親)の怒りは相当なもので、夫のことを話す時は夜叉のような形相になった。怖~い。顔は大分違うが娘とは一卵双生児みたいに気の合うところを見せ、母親を娘が煽る。展開である。妻(母親)の、夫や相手女性に対する憤怒と、娘の、父親の資産や年金、或いは保険に対する執着は温度差があり、聞いてる僕には強い違和感を覚えた。所詮、未婚の娘には母親の女としての情念は理解できないだろう。さらに聞き及ぶと、被調査人の職業は国立大学の天文学の教授で、知る人ぞ知る斯界の大物だった。----------