探偵日記

探偵日記 12月13日火曜日 曇り夕方から雨の予報

昨日は予定が詰まっててブログも書けなかった。
一昨日の阿佐ヶ谷の居酒屋「海舟杯」コンペは、大方の予想通り僕が優勝した。12組46人(二人欠席)プレーの途中で優勝を確信したが、美空ひばりの歌にもあるように(勝つと思うな思えば負けよ)のとおり、2位、3位、との差が1ストロークで危なかった。優勝賞金の2000万円や副賞は翌日(昨日)歌舞伎町のママの誕生日の食事代で消えた。

ロマンチックな恋の結末 24

ホテルに着いた僕は夕飯を摂るため1階のレストランへ行った。食前のビールを飲んでいると件の女性がマスク姿でエレベーターに乗るのが見えた。もう証拠はいらないのだが、探偵の習い性でパチリ。日付と時刻入りだから何かの時には役に立つだろう。少し深酒をして午後11時ベッドに入る。

翌朝、部屋で待機していると、朝食のためだろうマルヒが部屋の前を通り1階に降りたことが確認できた。数分後、僕も同じレストランでモーニングを頼みマルヒの様子を観察した。月に1度か2度の逢瀬を果たし、満足そうな表情で和朝食を食べている。そして、食後のコーヒーに移ったところでマルヒの席に向かった。
(お早うございます。初めまして福田と申します。実は、東京の奥様が依頼した弁護士の使いで参りました。同席して宜しゅうございますか。)と尋ねると、教授はきょとんとした顔をしながらも「どうぞ」と言ってくれた。風貌こそ田舎のおっちゃんだが品格が感じられる応対だった。

ウエイトレスに、それまで座っていた席のレシートを渡しコーヒーを注文したあと(突然で申し訳ありません。実は郵送も考えたのですが、弁護士が先生のお立場も考えて、こうして直接お渡しすることに致しました。私はこれで帰京しますが、これをお読みになって弁護士のほうにご連絡をください。)と言って、法律事務所の名前が印刷された封書を手渡した。教授は、その聡明なお頭(おつむ)で何かしらを察したようで、「ああそうですか。それはご苦労様でした。」と言い、封書を上着の内ポケットに収めた。----------------