探偵日記

6月 26

探偵日記 06月26日月曜日 曇り時々雨

6時半起床。7時に朝ごはんを食べて、8時前に家を出る。四谷からタクシーで待ち合わせのホテルオークラへ。地方から上京中のご依頼人と面談し、10時に事務所に戻る。ランチは週刊誌の記者とする予定。今週は企業の決算総会が相次ぐ。さぞかし東芝は荒れるだろう。「総会屋」がなりをひそめてずいぶん経つ。笑い話だが僕が調査の世界に入ってまだ間の無いころ、調査で某大手企業が入るビルに行った時のこと。入り口にずいぶん人が並んでいるな。と訝しく思いながら入ると、社員らしき男が、「あ、こっちこっち名刺は?ハイこれにサインして」と言うので、何が何だかわからないままに言われるとおりにすると、5,000円くれる。なんだろう?と思ったが、当時の5,000円は、ランチを食べて、夜にはキャバレーにだって行けるぐらいのもので、僕の住むアパートの家賃が月7,500円だった。帰社して先輩にそのことを話すと「お前、総会屋に間違われたんだよ」と言う。それも、その他大勢の部類の、いわゆる駆け出しのチンピラ総会屋と見られたらしい。その頃、興信所の調査員から総会屋に転向した先輩がいて、彼にもそのことを言うと「福ちゃん、調査員なんかよして総会屋になれよ」と勧める。聞いてみると、彼もまだなり立てだが、当時の大物総会屋Sの配下となったおかげで、黙っていても年間3,000万円程度の収入になるという。当時、上場企業は1,000社ぐらいだったように記憶するが、それらの会社から毎月定額の振り込みがあるらしい。経済観念に乏しい僕は、へ~。思ったが特に魅力には思わなかった。
数年後、或る筋から、僕が警視庁の総会屋の名簿に載っていることを知らされた。それによると、勿論最下位のランクではあるが(温厚、但し、調査能力あり)と書かれてあったという。あの日訳がわかっらず貰った5,000円のせいである。