探偵日記

12月 20

探偵日記 12月20日水曜日 晴れ

このところ晴れの日が続いて嬉しい。今日も一段と冷え込みが厳しいがいろいろ予定があって早めに支度を済ませ家を出る。10時半、神田駅到着。駅前の喫茶店で依頼人と面談。12時半、事務所へ。数日前新件が入った。内容は、11月、夫が亡くなり相続が発生した件、夫享年72歳。26年前に再婚したらしい。僕は依頼人から提出された戸籍謄本を一瞥して(ああこれはこじれるな)と思った。何故か?その戸籍には前妻との間にもうけた二人の子が記載されていた。長男46歳、長女42歳。しかも二人ともまだ独身である。どんなに仲の良い親族でも相続となれば必ずといっていいほど紛争する。ましてやなさぬ仲の二人である。間違っても(相続放棄)の判を押すわけが無い。未亡人には申し訳ないが、今住んでいる家は容易に我が物にはならないだろう。ちょっと調べてみると子供たちは二人とも破産していた。嗚呼。

結婚詐欺 1

昔、乃南アサの「結婚詐欺師」という本を読んだことがある。男はつるっぱげだったが色んな鬘を用いて、或る時は弁護士、また或る時はパイロットや医師になって、手当たり次第に口説き金を巻き上げていた。中でも、夫に先立たれた50代の未亡人とは、半同棲状態になり、有り金の殆どを男に入れ揚げてしがみついいていた。居酒屋の女将、デパートガール、女刑事、その中の一人、高校の女性教師が(どうもおかしい)と気づき警察に訴え出た。警察は被害者が一人では容疑が薄いと判断して、男を尾行しながら被害者を求めた。しかし、現在交際中の女性は告訴を躊躇う。そんな内容だったと記憶する。

今、我が貧乏探偵事務所に駆け込んできた女性の話。僕は最初にあった時彼女にこう言った。(100%騙されている、調査をするまでも無い)と。しかし依頼人はたかが探偵の独断を信じるわけも無く調査を依頼した。探偵の僕にとって、達成感の乏しい案件ではあったが、なかなか魅力のある女性だったので引き受けた。
相手の男は、丸の内に事務所を構える48歳の「弁理士」彼は、「僕はバツ2で、2度目の奥さんとは4年前に慰謝料2億円を支払って別れ、今一人で住んでいる」と言ったという。-----------