探偵日記

探偵日記 10月19日土曜日曇り

昨夜、T弁護士と食事。ご依頼人K子さんも同席して盛り上がる。食事の後、K子さんのおごりで歌舞伎町の老舗クラブ「銀子」へ。数日前26周年を迎えたという店は勿論僕も良く知っていた。韓国クラブや中国のそれとは異なり、派手さはないが、良く言えばしっとりとした雰囲気が感じられ、悪く言えば、活気がなくホステスも通り一遍の接待振りで、(後に引かない)というか、もう一度行ってみたいと思わせる魅力に欠けている。それでも、店長は僕との会話で(この客は歌舞伎町を良く知っているな)と感じたようで、帰り際の応対はなかなかだった。何しろ、私立探偵犬鳴吾朗はもう50年以上歌舞伎町を走り回っている。店長や古株のホステス達が知る老舗のクラブで行った事のない店はない。その中でも数年前までトップクラスだった(サントベルージュ)の話に花が咲いた。「前田えま」というママは(和服でジープに乗って出勤する)評判の女性だった。しかし栄枯盛衰、そのママも歌舞伎町を去って、今は銀座のちっちゃなバーのマダム。苦労しているらしいですね(店長)そういう噂も流れているようだ。

阿佐ヶ谷に帰った僕は、よせばいいのに(天国に一番近いスナック)「ほろよい」に寄って仕舞った。店内は顔馴染みで一杯。その中に、最近売れ出した「玉袋筋太郎」氏も居た。氏は、水道橋博士と組む浅草キッドの片われ、NHKの朝いちに良く出ている他、先日は(徹子の部屋)にも招かれていた。知り合いがそうなるのは嬉しいものである。特に彼は決してえらぶるところもなく可愛い奴だ。酔客にせがまれ、勝新太郎の(座頭市)や、僕の麻雀友達、一節太郎の(浪曲子守唄)などを唄ったが絶品だった。

午後11時半、これで帰ればよかったのに、麻雀仲間の一人に(イーチャン付き合ってくれ)と言われ、麗子おばさんを交えた、合計年齢280歳で近くの雀荘に行き、朝4時まで楽しんだ。否、苦しんだ(笑)今朝は、8時前に起こされ朝食を頂いた後、二度寝。正午過ぎに起きて事務所へ。