探偵日記 9月02日金曜日 晴れ
もう9月。残暑は厳しいが朝夕は涼しくめっきり秋らしくなった。あと120日すればいやおうなくなく新年となりまた一つ齢を重ねることとなる。といっても1歳増えようとどうということはない。いずれ癌にでも冒されうだうだと生きた一生に終止符を打つだけのことだ。よくよく考えてみても周囲に誇れるような成果も無い。本当に残念な人生である。では何かこれからの短い時間で万人に認めてもらえるようなことはないだろうか。まあ、そんなに大したことではなくても、自分自身納得できるような事が出来ないか。などと、またしても下らないことを考えている。
昨今、例えば刑事事件になぞらえれば「迷宮入り」の案件が増えた。依頼されていろいろやってはみるのだが結果が出せない。(申し訳ありません)と、謝罪して1円の報酬も得られずに終わる。調査の種類は「人事」に係るもので、なぜならば、被調査人の住民票や戸籍が入手できず、らしいとか、その模様、とか、推測される。などの表現になって、報告を受けるほうも「納得」出来ない。から、探偵事務所として、「商品」とならないのである。僕が理事長を務める「東京調査業協同組合」では毎月第一火曜日に理事会を開いている。2時間という制約された中で諸々の意見交換を行うが、調査技術に関する勉強もする。もっと広い範囲で、同業者の意見を聞きたいと思うのだが、みなさん協力して下さい。