探偵日記

探偵日記 6月22日月曜日 曇り後晴れ

昨日は100パーセントあめの予想だったから観念したが、あにはからんやプレー中一滴の雨も降らず、湿気こそ高かったが暑くも無くいいコンデションで回れた。スコアは納得行かなかったが、2位で賞金5000万円をゲット。これで歌舞伎町のクラブに行けそうである。
今日は、散歩ージムー歯科医院と回り午後1時、品川区の会社を訪問。一旦事務所に戻って、5時、麹町の法律事務所へ行く予定。そのあと、7時前に荻窪の教室へ。ここでは、これから書こうとしている物語の指導を受ける。というわけで何かと多忙を装っている。

教師と教師 15

弁護士に依頼して相手の男から慰謝料を取るべきか。それともそんなことをせず問答無用で妻と離婚するか。いずれにせよ家庭内のトラブルになって息子達を巻き込むことになろう。こんな出口の無い苦悩に苛まれる毎日を送っている小山内だが、或る日、はっきり自分の気持ちが理解できた。それは「妻を愛している」ということである。時々、探偵事務所の報告書を読み直すのだが、妻と彼(自分も良く知っている教師)は、コンビニで食料を買ってラブホテルに長時間滞在する。なぜなのか?中でどんなことをしているのか?お互い持ち寄った生徒の答案用紙の採点をしているのか。決してそんなことは無いが、そう思いたい自分が居る。

今更だが、こんなに愛している妻と別れて暮らせるだろうか。答えはノーである。

公務員達に暮の賞与が出た日の夜。一人の中年男性が金沢駅に降り立った。悄然とした様子で周囲を見回していたが、やがて、駅前のビジネスホテルへ行き宿泊の手続きをすませ、シングルルームに入った。翌朝、ホテルのラウンジでモーニングを摂った後タクシーに乗り(能登半島に行ってください)と告げる。その日の夜。小山内真理子は、東京タワーに近いシティホテの鉄板焼きの店で男性と食事をしていた。夫は、(職場の人たちと一泊で箱根に行く)と真理子に告げて、今朝早く出掛けたので、彼に連絡を取り食事に誘ったのである。勿論彼にも妻子がいるが、何とか上手い口実を設け外泊出来ることとなった。二人にも賞与という臨時収入が入り、たまには贅沢をしよう。と、今日の設定をした。食事の後は東京の夜景を楽しみながら多いに盛り上がろうと約束していた。
やがて、食事が終わり、予約していた部屋に入った時、真理子の携帯が着信を伝えた。長男からだ(なんだろう。夜食のお金は渡しておいたのに)と思って出ると、緊張した声で(お母さん大変だよお父さんがーーーーーーーーーーーーーー)一瞬、わが耳を疑った後、どうしたの?と、聞く彼の声も真理子の意識には届かなかった。