探偵日記

探偵日記 7月16日木曜日 台風

午前3時頃、雨の音で目が覚めた。外は土砂降りである。ああ、嫌だ嫌だ。と思ったが雨が降らずに水不足になっても困る。5時、そんなことも知らずタイちゃんが僕の部屋のドアをガリガリ、早く起きてよ~と催促する。しかし、玄関を開けたところでゾっとして立ち止まり、後ずさりまでする。彼も雨が嫌いなのだ。高架下を30分うろうろして帰宅。少し休んでジムへ。
車を伊勢丹の駐車場に停め事務所へ。今日はグレープフルーツほかを買ってゆかねばならない。養子(じゃあないが)は辛い。

れんげ 10

 それからその白い犬は、他の犬と一緒の時もあれば、一匹だけで現われることもあったが、ほぼ毎日のように姿を見せた。聡も、その犬だけに特別食べ物を用意した。犬のほうも分るのか、ほかに犬達の後方で待機し、群れが去った後、聡のところにやって来た。といっても、聡の手から受け取るようなことはせず、聡が一定の距離を作ってやって、はじめて食料の所まで来る。犬のほうもそれなりの危機管理はしていたようだった。暫くして、聡は、秘かにその犬に、れんげという名前を付けた。見かけると、れんげ。と呼び、れんげも、聡に呼ばれると走って彼の元にやって来た。

 そんな平穏な日々が続いた或る日のこと。れんげが一匹の犬に追いまわされている場面に遭遇した。勿論、喧嘩ではないが、遊んでいるようにも見えなかった。やがて、二匹の犬は見えなくなった。気にはなったが、ちょうど材木が搬送されていたので、離れることも出来ず、その日一日気をもんで過ごした。ただ、翌日には何事も無かったように製材所に現われ、聡が用意したご飯を美味しそうに食べて、神社の方に帰っていった。ーーーーーーーーーー