探偵日記 7月20日月曜日（祭日）晴れ
台風一過と共に梅雨も明けたらしく猛烈に暑い。昨日のサンサン会はちょっとしたミスで不本意な成績に終わったが、熱射病にならず幸いだった。そのくらい芝照り返しは暑かった。今日は（海の日）孫の誕生日でもある。土曜日曜祭日は9時オープンというのを忘れ6時半にジムへ行く。すごすご帰宅。10時半の歯医者さんをキャンセルして事務所に来る。
れんげ 11
聡がれんげと名付けた野良犬もすっかりなつき、他の犬達と連れ立って、聡の製材所によく現われた。そんな或る日、いつも来るはずのれんげが現われず、その翌日も、またその次の日も製材所の広場にれんげは姿を見せなかった。どうしたんだろう。他の犬達は相変らずやってくるが、まさかその犬達に聞くわけにもいかず、心配して、昼の休みや仕事を終えた帰り道に付近を捜したが、杳として行方が知れない。
すると、五日目の午後、神社の方から歩いてくるれんげを見つけた。聡が、お～いれんげ～と大きな声で呼ぶと嬉しそうに尻尾を振りながら駆けて来る。どうしたんだ心配したよ。れんげには分るはずもない。と思いながらも声をかけ、れんげのために用意しておいた食べ物を地べたに置いて、少し離れて見ていると、素早い動作で口に咥え走り去った。あっけにとられて見ていると、ほどなくして再び現われたれんげは、残りの食べ物を一口食べ、食べ終えるとまた口に咥え何処ともなく走り去る。聡は、残っているものを隠し待っていると数分でれんげがやってきて、聡をじっと見つめ、あれはどうしたの。というような目で訴えている。聡は、ほらここにあるぞ。と言いながら材木の間に隠しておいた食料を見せてやると、れんげは、ぴょんぴょんはねる仕草で喜びを表し、聡が手を出せば届くような所まで接近してきた。実は、二回目の後、聡は、れんげが持って帰りやすいように、食べ物を袋に入れて待っていた。その袋を置くと、れんげも心得たもので、袋の端をサット咥え、走り去る瞬間、聡のほうを振り返り、まるで、ありがとう。とでもいうように神社のある森に入っていった。ーーーーーーーーーーーーーーーー