探偵日記

探偵日記 7月26日火曜日 曇り

朝シャワーをしていると携帯が鳴った。昨日知人の設計士から「調査を依頼したいといっている人がいるから宜しく」という電話を貰っていたので、(福田です)と言って出る。先方は中年と思われるご婦人。あの~と言った後、小社の社名を言う。あ、こりゃ違うな。と思って聞くと、娘の結婚相手を調べたい。と言う。「簡単なことなんですが、相手の趣味嗜好、思想、宗教が知りたいのです。あ、それからご両親のこととか」ご婦人の希望することは決して簡単なことではない。僕は(ご存知でしょうけど、個人情報保護法の壁があって、何かと難しくなっているんです)と応じると、ああそうですか。と言いながら「あの~それと父親の出身地も知りたいんですが、西のほうはいろいろ有るって聞きますので」と。ここに至って電話の主の目的がはっきりした。小社をひっかけようとしているのである。もし仮に、僕がこの人の調査を引き受けたら窮地に陥るだろう。いわゆる、差別につながる調査をしろといって、僕との会話を録音し、後で、(まだこんな調査をする会社が存在する)と、大騒ぎをするのである。一般の人には理解困難であろうが、探偵事務所は時にこうした団体の標的になることがある。くわばらくわばら。