探偵日記 11月05日火曜日 晴
このところすっきりとした晴天が続いている。今朝、僕の部屋の窓から雪化粧をした富士が見えた。
事務所では昨日から大阪のほうの調査で数人が出張している。依頼されてもうだいぶん時間が経過した案件で早く結果を出したいと思っている。まあ、天気もいいので張込も楽だろう。
これから寒くなるし雪の季節になると屋外での張込は苦痛を伴う。昨日読んだ吉村昭氏の「高熱隧道」と今を比較して隔世の感を深めた。時代は昭和の初め、有名な黒部ダムの建設を描いたものだが、貫通までに数百人が無くなるという凄惨な工事だったようだ。時代が違うし仕事の内容も大きく異なるので比べるのも無理があるが、(楽な仕事はない)というのが結論である。探偵も難易度の高い案件を解決した時は大きな達成感を覚える。現在、東京都で登録している事務所は860社ぐらいあるらしい。僕が独立した頃は30社余りだったように記憶するので大変な増加である。そして、数千人の若い調査員たちが活動しているが、彼らに言いたいことはしっかりしたポリシーを持って頑張ってもらいたいということ。仕事を面白くするのもつまらなくするのも自分次第であろう。