探偵日記


2022・11・14 月曜日 ☀




少し寒い朝だった。昨夜の酒もすっかり抜けて心地いい目覚めご飯もお美味しく頂いた。午後2時、港区の法律事務所訪問予定。何かしら予定があるのも体にいい影響を与えてくれる。早々に事務所へ。密かに、今日明日休肝日にしようと思っているが、さてどうなりますやら。




何千分の一 (6)




成城学園に住む人からの依頼案件も無事終了。後で思うとこの頃はバブル真っ最中だったようで、切れ目なく仕事が入り、事務所の活気も気味が悪いほど盛り上がっていた。この頃が、我がTDA最盛期とも言って良く、充分な調査員に信頼のできる事務所スタッフ。加えて2年前他社からヘッドハンティングした男を調査部長に据え、僕は、事務所には顔を出すがランチを済ませると徒歩2分の雀荘へまっしぐらの毎日だった。そんな或る日、やはり世田谷のA町に住むという女性から「調査の相談をしたいから自宅に来てくれ」との電話が入り、事務の者に「成城の〇×さんのご紹介で所長をご指名です」と言われ、折角佳境に入っていた麻雀を中断する羽目になった。16時、依頼人宅訪問。よもやま話の後、本題に入る。面談した婦人は50歳代。「私の弟はある会社の社長をしているけど、どうも、奥さんが浮気をしているらしいから調べて」ありきたりの不倫調査であった。・・・・