探偵日記


2022・11・15 火曜日 ☂




氷雨朝のいつもの時間に朝食を摂り事務所へ。昨日は休肝日にしたためなかなか寝付かれず、23時過ぎに誘眠剤を半分飲んだ。その効果か、いつの間にか眠ったようだ。いつも思うがクスリの効力は凄い。ただ、双刃の剣で真反対の効果もあるからほどほどにしているが。昨日訪問した法律事務所で新しい依頼を受けた。思えば、23年前に知り合い、こうして時々お呼びがかかる。(お互い歳を取りましね)と慰めあった。




何千分の一 (7)




密集した住宅地にあったその家はさほど大きくはないが全体に高い生活水準を感じさせた。依頼人は40代後半の女性、成城に住む友人にあなたを紹介されて。「実は私の弟が会社を経営しているんだけど女房が浮気してるみたいなの」自身も弟の会社の取締役をしてて、近々、上場の計画もあるので確認をしておきたい。という内容だった。「200万円ぐらいで出来るかしら」僕は(充分です)と応え受件した。当時はバブルの最中だが1件200万円は(いい仕事)である。それに、探偵にとって「不倫調査」はレストランのランチみたいなもの。こんなことを書くと誤解を招くかもしれないが、(奥は深い)が、尾行調査そのものははさほど困難なものだはないという意味で。翌日から早速A子の尾行調査を開始した。結果はすぐに出た。上場を目指す会社の社長夫人は、ベンツに乗って家を出ると真っすぐ南青山の、とある高級マンションの月ぎめ駐車場に車を停め、自宅に戻った如く、慣れた感じでマンション内に入った。・・・・