探偵日記

9月 23

探偵日記 9月23日金曜日 曇り時々雨

今日は僕の大好きな(ウソ)給料日。思えばわくわくしながらこの日を迎えたのは何時の頃か。今考えると本当にスズメの涙みたいな金額だったように感じるが、それでも阿佐ヶ谷の4畳半一間のアパートの家賃7,500円を払いたまに友人と酒が飲めたので、当時の平均的な収入だったのだろう。しかし、今、事務所の新入社員が正社員になれば、当時僕が貰っていた給料の8倍だ。ただ、家賃に関しては多分10倍近いだろうから、今は今で決して楽なはずはないと思う。少し違うのは、僕は面接の時、所長さんから「いくら欲しい」と聞かれて(いくらでも結構です教えてください)と応えた記憶がある。僕は、(この仕事は金脈に出会う可能性がある)と、信じていたから。人は、「時代が違うでしょう」と否定するが、最近の若い人は貪欲さに欠ける。新米探偵さん「そんなことはないからね」----------------

探偵日記

9月 21

探偵日記 9月21日水曜日 曇り

本当によく降る。今日は久しぶりの事務所。特にやることもないけど生まれつき貧乏性で、長く休めない。といっても、昨日はあの大雨の中、神田まで所用で出向いた。神田は僕が初めて「探偵」になったところで、独立して最初に事務所を持ったのもここだった。新聞の募集広告を見て興味津々で訪問した事務所は西口のオンボロビルの3階にあった。面接してくれたのは40歳ぐらいのなかなか渋い男性だった。へ~いい男だな。というのが僕の第一印象で、こちらの好意が通じたのか即決だった。後で分かったことだが、所長さんが僕に好感を持ってくれたというより、喉から手が出るくらい人出が欲しかった。らしい。彼が独立開業して僕が第1号見習い調査員だった。しかし、前にも書いたが僕はわずか半年で首になった。実は、その前に、帝国興信所に勤務する叔父の手伝いである程度の知識があったので、純粋な探偵事務所出身の所長さんに僕のほうでアドバイスすることもあって、重宝された。と、勝手に思っている。その証拠に、首にした僕を長いこと下請けで使ってくれた。探偵としての能力はともかく、人当たりが良く如才なさには自信があった。学生の頃、色んなバイトをしたが、その中に、ポーラ化粧品のセールスがあり、所属する営業所で売り上げトップになったこともある。ただ、辛抱できない性格ですぐにやめたが。----------

探偵日記

9月 16

探偵日記 9月16日金曜日 曇り時々雨

昨日は久しぶりに銀座で飲んだ。7丁目のすし店「〇久」でつまんで8丁目のクラブへ。しかし、すし店もクラブもその後行った店も閑古鳥が鳴いていた。帰りは何時ものポーター「宍戸」さんに送ってもらい帰宅。首都高の代々木付近を100キロのスピードで疾走。彼は若いころレーサーになりたかったと言うだけあって腕は確かだ。少々怖い思いをしたが5分ぐらいは早く着いたかな。(笑)
今日は定期検診の日。駅前のクリニックで採血と採尿を済ませて事務所へ。待合室はジジババでぎっしり。医療費が41兆円を超えたとか、さもありなん。聞くともなく聞いていると、80歳ぐらいの老婆が同じようなお年の婦人と話している。「ねえ、この頃〇〇さんお見かけしないわね~どこか悪いのかしら」まるできみまろのギャグみたいで思わず笑ってしまった。

探偵が受ける調査も多種多様である。最近は、結婚調査とか身元を調べる人事調査は弊害が多くなるべく引き受けないようにしている。しかし、僕が若いころと違って「変な人」は急増している。結婚をしたいと思っても、企業が採用を決める際にも、或いは、何か取引をしようとする時も相手が良く分からないまま進めると取り返しがつかないことになりがちである。こうした時の調査料はそんなに高いものではないが、ひとたびトラぶってしまうと場合によっては高額の費用を負担しなければならない。だから僕は何時も言う「調査は転ばぬ先の杖ですよ」と。

探偵日記

9月 15

探偵日記 9月15日木曜日 雨のち曇り

11日の日曜日もそうだったが、昨日も100パーセント雨を覚悟で臨んだゴルフだったが全く降られず気持ち良くプレー出来た。良い時と悪い時が
交互にしかもはっきりと出た1日だった。例えば、ショートホールでニアピンを2つゲット。後続の者たちは「なんだ福田はずいぶん調子良さそうだな~」と恐れる。ところが、何でもないところでつまらないミスを犯しトリプルボギーかなんかやってしまい、つくづく自分のバカさ加減を悔いる羽目になった。今週の日曜日は何とか上位を目指したいと思う。

某中堅企業の社長が不倫をした。妻は小唄の師匠で大勢の弟子を持ち日々優雅に暮らしているが、最近夫の生活に不審を抱いた。もう特に愛情があるわけでもないのだが、あまり勝手なことをされるのも気持ちのいいものではない。というわけで「探偵」の出番となった。調査はさほどの緊張もせずあっさりと結果が出た。そして、不倫相手は三人居た。マルヒは85歳。相手の女性は上から58歳、46歳、一番若いのが34歳、面白いことに三人とも猪年とは。さあこれからどうする。依頼人は「今住んでる家さえ貰えば別れてやる」と息巻いているが、たかが家というなかれ、田園調布の一等地800坪に250坪の家屋、駐車場は5~6台はゆうに停められるし、トイレが5つある。貧乏探偵の僕は何度お邪魔しても邸内で迷子になってしまう。---------------

探偵日記

9月 13

探偵日記 9月13日火曜日 雨

秋の長雨とはよくいったものだ。朝5時、タイちゃんを連れて外に出るころは本格的に降っている。彼を抱っこしてアプローチの距離を小走りに高架下へ。ゆっくり往復して30分。雨の日の散歩を終えた。明日は今年から僕が幹事を仰せつかったゴルフコンペ「二水会」の日。埼玉県毛呂山のエーデルワイスCCで行われる。まあ、今日これだけ降れば明日は大丈夫かも。なんて、あまりくよくよ考えない僕は一人楽観する。

それにしても五右衛門のいうように「世に盗人は無くならない」同様に、事件、事故、揉め事は尽きないようで、ほとんど宣伝していない我が貧乏探偵事務所にも調査の「依頼」は入る。今日も雨の中、調査員たちは某所で張り込んでいる。マルヒの老人は立川市の繁華街にあるビルの1室で小商いを営んでいるが、もう10年近く閉めたまま立ち寄ることもない。老朽化したビルのオーナーは立て直したいと思っているがただ一人この老人が頑張って出て行かない。そう高くない家賃だけれどゆうに2千万円は超えているはずだ。収入もないのに1日も遅れることなくきちんと支払い。法廷では「私はこの商売が好きで死ぬまで続けたい」と、立ち退きを拒否している。(商況)の実態が無いことを証明するための調査を何度か行い、そのたびに小社の報告書を証拠資料として提出しているのだが。------------