探偵日記

探偵日記 6月4日水曜日晴れ

今日まで晴れで明日から雨もようになるらしい。特に、木曜日と金曜日は大雨とか、日曜日の8日、ゴルフの予定があり気をもむ。今年はこれまで21回やったが雨に降られた日は無かった。たとえ前日暴風雨でも当日は日本晴れとなりツキもあった。

今日は事務の高ちゃんがお休みなので早々に支度をして家を出る。10時5分事務所着。所長や調査員も来ていたので、昨日受件した素行調査の打ち合わせをする。ご他聞に漏れず(夫の浮気)しかも現代の若者特有の無責任男で、家庭を放棄した上で妻に離婚を求めているようだ。ご依頼人が僕の娘なら、(さっさと帰っておいで)と言いたいような男だが、誰に勧められたわけでもなく、当人同士好き合って一緒になったのだろうから、自分が納得できるまで頑張って見れば良いと思う。ただ、可哀想なのは子供たちである。子供というもの親の背中を見て育つという。その見るべき背中が無くなるわけだからさぞかし戸惑うことだろう。かく言う僕も両親の背中ならぬ顔さえ知らずに満一歳から育った。勿論、養育してくれた叔母や、優しく見守ってくれた郷里の大人たちのお陰で、自分が言うのもなんだが、健全に成長した。健全に、ということは、人並みの感情を持ち、正邪の判断が出来て。ということである。しかし、そんな僕でも数え切れないくらい失敗し、後悔もしている。人生って難しい。

俗に言う素行調査の中で、不倫の調査は、第一段階が「張込尾行」第二段階が相手女性(又は男性)の身元を調べる「内偵調査」が必須の調査となる。帰りが遅い、或いは帰ってこない配偶者の事情を確認して、不倫の事実があれば、その相手を(何処の誰か、どんな人物か、独身か婚姻者か、仕事は?)知って、今後の対策を講じることになる。その結果、夫婦がじっくり話し合って、配偶者が(ゴメンもうしません)と言って心から謝罪して解決することもあれば、どうしても離婚の意思が強い場合、調停や裁判を経て最悪の状態でけりがつくことになる。また、「別居」という冷却期間を置くことで改善される場合もあろう。但し、最近の夫は、極めて自分勝手で、情け容赦なく妻子を切り捨てる輩が多い。何時も泣くのは女性ばかり。------------