探偵日記 6月5日木曜日雨
朝4時40分、気まぐれワン公のタイに起こされる。(まだ降っていないわよ)と前任者が言う。45分外に出る。進路を西にとってお気に入りの商店街方向に進む。パールセンターは両脇にゴミの山。彼は、それらを吟味しながら往復して帰宅。最近は1時間で気が済むようでさっさと帰る。11時、途中所用を済ませ事務所へ。12時半、御茶ノ水で依頼人と面談の予定。泣かれはしないかと気が重い。
立ち寄った先の知人に「三冊目はまだですか」と言われ、少々恥ずかしい思いをした。暇を見ては書き続けているもののまだ出版には至っていない。いまだに読書好きな僕は色んな人の本を読んでいるが、そのたびに気力が失せてゆく。やっぱりプロの書く物は段違いに違う。僕の書くものといえば「探偵」の範疇から出ることが出来ずマンネリになる。じゃあ恋愛小説でも書いてみるか、随所に濡れ場を入れて。(笑)大いに自信があるのだが、必ず妻子が読むことになり、「貴方誰のことなの」とか「お父さん、いやらしい」などといわれるのが目に見えている。敢えて火中に入ることも無かろう。などと、自己弁護しながら老いてゆく。