探偵日記 4月9日木曜日 晴れ
昨日、顧問弁護士と打ち合わせして、M女を刑事告訴することにしたが、主たる関係者の「絶対自分の名前が出ないようにしてくれ」との要望で準備に留めることとなった。今朝、事務所へ行く途中、倒れそうになった。両手に荷物を持っていたので(やばいな)と思い、暫く立ち止まった状態で様子を見たら何とか治まって、用心しながら百数十メートルの事務所に辿り着いた。これまで、(俺は人並み以上に健康で、精神面も頑丈だ)と思っていたが、今回のMという女性から受けた執拗な嫌がらせには、自分では気付かなかったが少しづつ健康を害していたようで、精神科医の言うとおり「極度のストレスによる自律神経失調症」なのだろう。頭が痛い、眠れない、痩せてきた、ふらつく、幻視症状が出る、などなど、確実に進行していたようだ。
M女は元、東京大塚の売春婦(少し古いか、昨今は風俗嬢というんだろうか)数年前知り合った客と親密になって、そういう勤務をやめて、オンリー(これも相当古い、戦後は流行った言葉だ)に。ところが、最近になって、別に若くて美人の、しかも普通のOLのガールフレンドが出来たためM女は、彼に距離を置かれることになった。M女50歳。OLさん25歳。勝負あった。そして、(手切れ金)を渡す役目を僕が仰せつかった次第。
戦いの火蓋は年初に切られた。彼女が住んでいるマンションの明け渡しを求めてから3ヶ月余、620回にわたるメール、そして、1日50回を越える事務所への電話攻勢。寒い、死にたい、眠れない、ひもじい、頭が割れそうに痛い、行く所も住む所も無い、こんなメールが深夜と早朝送られてくる。(メールは09時~18時の間にしてくれませんか)と頼むも、「それがお前の仕事だろう」と言って、ますます多くなり、前述の回数に至っている。弁護士は言う。診断書もあるしこれは刑法上の「傷害罪」で、所轄は必ず受理するはずです。との由。M女も彼女なりに必死なのだろう。店の客(といってもホテルで会ったらしいが)の財力に執着したうえ、離婚した男性の後妻の身分まで所望した。これを邪魔したのが僕だ。憎まれ、嫌がらせを受けても仕方ないか。(笑)