探偵日記 9月13日火曜日 雨
秋の長雨とはよくいったものだ。朝5時、タイちゃんを連れて外に出るころは本格的に降っている。彼を抱っこしてアプローチの距離を小走りに高架下へ。ゆっくり往復して30分。雨の日の散歩を終えた。明日は今年から僕が幹事を仰せつかったゴルフコンペ「二水会」の日。埼玉県毛呂山のエーデルワイスCCで行われる。まあ、今日これだけ降れば明日は大丈夫かも。なんて、あまりくよくよ考えない僕は一人楽観する。
それにしても五右衛門のいうように「世に盗人は無くならない」同様に、事件、事故、揉め事は尽きないようで、ほとんど宣伝していない我が貧乏探偵事務所にも調査の「依頼」は入る。今日も雨の中、調査員たちは某所で張り込んでいる。マルヒの老人は立川市の繁華街にあるビルの1室で小商いを営んでいるが、もう10年近く閉めたまま立ち寄ることもない。老朽化したビルのオーナーは立て直したいと思っているがただ一人この老人が頑張って出て行かない。そう高くない家賃だけれどゆうに2千万円は超えているはずだ。収入もないのに1日も遅れることなくきちんと支払い。法廷では「私はこの商売が好きで死ぬまで続けたい」と、立ち退きを拒否している。(商況)の実態が無いことを証明するための調査を何度か行い、そのたびに小社の報告書を証拠資料として提出しているのだが。------------