探偵日記

探偵日記 06月20日木曜日 晴

良く昔から「名医より方位」と言われている。人間の行動全般とその方角には重要な関連があるらしい。例えば、家族旅行を計画した一家が方位を探ってみると、南は吉だが北東は凶だといわれた。さあどうするか。一家は子供らの希望を聞いて北海道で計画していた。探偵の僕は迷信やお告げの類、また、宗教や思想などに偏見は持たないようにしている。日蓮正宗の寺からの依頼を受けるし、カトリックの神父様の相談にも乗る。自民党議員からの調査依頼も嬉々として受けるし、民主党の依頼で自民党議員の尾行調査を行ったこともある。誠に節操がないのである。但し、妻からの依頼で夫の素行調査をした後、夫からの依頼で妻を調査することはない。これは探偵に限らず弁護士もタブーである。
話しは横にそれたが、方位に縛られることは多い。ただ、じゃあ、折角決まった家族旅行を中止に出来るのか、子供たちが楽しみにしている北海道旅行を九州一周に変更できるのか、なかなか難しいところである。もっといえば、お父さんの吉方は北で、お母さんは南、子供の一人はにし、もう一人は東。ということになったらどうするのか?今僕はこんなことで大いに悩んでいる。