探偵日記

探偵日記 02月01日土曜日 晴

昨日の花金、気分が優れず早々に帰宅。すると、ガールフレンドからメールが来て「今歌舞伎町で飲んでるから一緒にどう?」と言ってきた。もし、もうちょっと早ければ合流したのに。タイミングの悪いときはこんなものだ。3時間ほどパソコンに向かって仕事をし、23時就寝。
今日は9時に近所の練習場に行き120球ほど打って、シャワーをしたあと、報告のため参宮橋の会社へ行く。夜はいつものように阿佐ヶ谷の居酒屋へ。

新宿・犬鳴探偵事務所 2-1

喫茶店を出た犬鳴は(男って女房と違うタイプの女性に惹かれるのかな~)などと思いながら何時もの雀荘へ。とにかく遊び人の犬鳴は一つのところにじっとしていられない性分だ。最近は、好きな麻雀も3~4時間で飽きてしまう。飲むときもそうで、1日3軒ははしごする。指名された女の子も「もう帰っちゃうの、もう少しいなさいよ」などとむくれる。時々自分でもよく分からないことがある。とにかく、子供の頃から根気がないと言って怒られたが、何故か仕事だけは変えようとは思わない。だからといって仕事熱心とか、人一倍努力するでもない。自分で自分が分からない、俺って、二重人格なのかと思うこともある。
まあ、自分のことはさておき、歌舞伎町を歩きながら(それにしてもどうするつもりなんだろう)とマルヒのことを案じた。不倫相手の工藤沙織は、もし間違ってマルヒと結婚できたなら、超の付く玉の輿に乗ることになる。彼女が必死になるのもうなずける。最近では医者の価値も目減りして、さほど有難がられなくなったみたいだが、当時は夫にしたい男性の職業としては間違いなく上位であった。特に病院に勤務する看護婦から見れば雲の上の人で、彼女らは医者のご機嫌を取らざるを得ない立場だったように思う。犬鳴の知人の女性で、看護婦として勤務していた大学病院のドクターの妻になった人がいた。彼女曰く、食事に誘われた時は雲にも上る気持ちで、その日のうちに身体を投げ出したらしい。ドクターたちもその辺の事情は心得ていて、中には手当たり次第に看護婦を口説く者もいた。・・・・