探偵日記

探偵日記 12月12日金曜日 晴れ

朝9時半、駅前のクリニックで月一度の定期検査。朝食を摂って行ったこともあるが、先月の結果があまりにも良かったので、以来今日まで一日も休まず酒を飲み食べたいだけ食べた。そして、案の上、すぐに分る血糖値は177、前回が122だったので明確に悪化している。15日の診察でドクターから結果を聞くのが怖い。(喉元過ぎれば・・・)ではないが、同じ失敗を繰り返す懲りない性格は治らない。もし、「インシュリン注射を打ってもらいましょう」なんて言われたらどうしよう。別に、特別長生きしたいわけじゃあないが、こんな面白い世の中、もうちょっと楽しみたいとも思う。

今年は喪中のハガキが多いことは前に書いたが、今日現在で22通。中でも驚いたのが某社長。まだ62歳という若さもさることながら、彼が周囲も認める元気印だったこと、経営する会社の業績は頗る良好で、つい最近、新宿にビルを新築したばかり。実は、僕の最初の本(七人の奇妙な依頼人)の6番目、薔薇のモデルだった依頼人である。僕は、ゴルフと、歌舞伎町のクラブ活動を散々ご一緒した仲なので信じられない知らせだった。本年8月ごろ、ちょっと体調がすぐれないと言っていたが、癌と判って11月30日に亡くなったらしい。心よりご冥福を祈りたい。
それにしてもひっそりと家族葬とは淋しい限りだ。彼の葬儀なら1000人はお参りしただろう。最近の風潮とはいえ残念である。僕は前々から言っている。「村八分」という言葉があるが、残りの2分とは、(どんな嫌われ者であってもその人の家が火事に遭っていれば消火活動に加わり、亡くなれば葬儀に駆けつける)のが人の道である。日本人の心も様変わりした。