探偵日記

探偵日記 01月31日金曜日 晴

とうとう今日で1月もお終い。実りのないスタートだった。例年翌2月も芳しくないので頭の痛いところ。それでも、クラブの女性たちはひっきりなしに誘ってくる。後期高齢者のコナンは、体力気力に加え肝心の経済力も衰え彼女たちの希望を叶えられない。マージャンも負けたり負けたり、時々ちょびっと勝つ。ということで、毎晩阿佐ヶ谷の居酒屋で安い焼酎を飲み下手な歌を歌ってすごすご帰宅している。(笑)
ここ数日、パソコンの機嫌が悪くネットにつながらない。今朝は珍しく1回でうまくいった。

新宿・犬鳴探偵事務所 31

調査員10数名固まって目が点になった。日頃元気印の和久田もしおれて涙目になっている。犬鳴が大きな声で叱るのは初めてと言ってもいい。これまでは、尾行に失敗しても、小さくなってなって言い訳する調査員に対し、(そうかそうか、失敗は成功の基、セイコウは妊娠の元っていうから次は頑張れよ)なんて冗談交じりに茶化すことが多い。一般に、気の弱い調査員は黄信号で停車する。赤信号なら、例えマルヒの車が走り去っても躊躇せず停まる。勿論、道路交通法的には間違っていないし正しい選択だ。しかしである、蕎麦屋の出前持ちやトラックの運転手ならばそれでいい。
喫茶店に入ったマルヒの柳原隼人、年齢33歳。なかなかの好男子である。身長178センチ、中肉で色白、頭髪は真ん中から左右に奇麗に分け、歌手の布施明をもう少しにやけさせたような顔をしている。高そうなジャケットを羽織り薄手のマフラーを上手にまき全体に育ちの良さがにじみ出ている。遅れること5~6分、決して美人ではないがスタイルの良い野性的な魅力を感じさせる女性がっマルヒの前に座った。
依頼人の言う「牛がソバージュしたような超不美人の看護婦」であろう。犬鳴は、(な~んだ結構いい女じゃアないか)と思った。マルヒは相好を崩し、愛情をたたえた目で見つめながら会話している。
犬鳴は、今日の責任者の和久田に(後は頼むよ)と言って店を出て、依頼人の奥さんに(二人は今接触しました)と、中間報告を入れた。・・・・