探偵日記


2022・01・06 ☀




9時過ぎの電車に乗った。すし詰め( ノД`)シクシク…本も取り出せなく、両手で吊革につかまったまま新宿まで。満員電車に乗ると必ず思い出す調査がある。某上場企業の部長さん、千葉から都心に通う総武線で痴漢にされ逮捕された。しかし、面会に来た妻に「自分はそんなことはやっていない」と、きっぱり否定した。まあ、配偶者だからさもありなんとも思うが、もちろん妻は夫を信じ、法律事務所を介して僕に依頼した。取り調べに当たった刑事は被疑者の抗弁を鼻で笑って(みんなそう言うんだよ)と聞く耳はない。その後、テレビドラマにも取り上げれれたが,ひとたび車内で女性に手を掴まれ「痴漢です」と叫ばれたら一巻の終わり。何をどう言っても信じてもらえない。本当に怖いことである。だから僕も手をポケットの入れたり上にかざしたりの方策を講じている。




元に戻る。調査は被害者の女性(敢えてこう呼ぶ)の身元調査から開始、続いて、現場でいち早く女性側で証言した若い男に移行。結果的に、サラ金に手を出してにっちもさっちもいかなくなっていた二人がグルで演じた偽装であることを傍証により証明、報告書を弁護士に提出し、痴漢とされた部長さんの無実を明らかにした。勿論、証明したのは弁護士の先生方で、僕はちょっぴりお手伝いしたに過ぎない。一方で(触られた)と騒ぐ女性がいて、この時のように(僕も見ました)という証言があると、囚われた人になすすべはない。大概の人は容疑を認め示談に応じ釈放されるほうを選んでしまう。この時の被害者(部長さん)は次期取締役の有力候補だった。絵を描いたのは対抗馬の部長で若い男女に大金を支払った。ではその若い二人はどうしたか?サラ金の借金をきれいにし、海外に移住したらしい。探偵にはその後のことは分からないが・・・・・