探偵日記 10月31日木曜日晴れ
文句の付けように無い秋晴れ、青い背広に同系のネクタイを締め颯爽と家を出る。早いもので、今日で10月も終わり。昨日仕事始めの顔合わせをしたばかりのような気がする。12分の10を消化して、残すところあと2ヶ月、12月に入り街にジングルベルの曲が流れ始めると事実上平成25年も終わる。数年前までは、年末になると大きな依頼が入ったものだが、最近ではそれも望み薄だ。今年、僕の年回りが余り良くないらしく殆どいいいとこ無しで、近年稀な凶作の年と言って良い。(花の咲かない冬枯れの日々・・・)何となく幼友達のデビュー曲の一節を思い浮かべてしまった。来年は、なんて早くも鬼に笑われるような心境になりそうだ。
昨日のこと。裏口入学の詐欺師クンは、夕方ウイクリーマンションに帰ってきた。まだ逃げてはいないようだ。今日、子供の親に5千万円返金しなければならない。どうするのかな~。張り込み中の調査員の感想は(何だか元気が無いように見えた)らしい。彼は彼で悩ましい日々を送っているようだ。一方、取り込み詐欺グループはどうしたか?昨日は人の出入こそ少なかったが、女子事務員は出勤しており、電話にも出た。グループも今日が決済日である。逃げるのか、それとも(ちょっと集金が遅れて)なんて言いながら時間稼ぎをするのか、それとも(無い袖は振れねえ)って、居直るのか、犬鳴探偵事務所は、グループ全員の顔写真を撮り、中心人物と思われる二人は家も突き止めてある。