探偵日記 12月19日木曜日雨
昨夜は僕の嫌いな雨で、しかももの凄く寒く感じたので、早々に帰宅してベッドに入った。阿佐ヶ谷に着きフランス料理の店「ラ・ボール」に行き、湯豆腐で焼酎の熱燗を少し飲み何処にも寄らずに。在宅ならばいつも見るニュース9の途中で明かりを消し就寝。したかと思ったら携帯電話で起こされる。やっと出たら切れたので誰かと思えば、あの、天国に一番近い近いスナック「ほろよい」のママ。そういえば今日はほろよいの忘年会だったことを思い出す。勿論僕も誘われたが(都合が悪いと)断った。決してママが嫌いなわけではなく、僕は根暗だから大勢で飲む場面が嫌なだけ。ゴメン。
と言う訳で、睡眠を妨害されて眠れなくなった。仕方なく家のものから止められている遊眠剤を半分飲んで朝までぐっすり。
氷雨の朝、桐ヶ谷斎場で眠る先輩を思いやる。彼の77年の人生はどうだったのだろうか?一方の雄といわれた「テイタン」の社長として、業界の発展にも尽力された。或る時期、業界が一丸となって(業法)を望んでいた頃、集会で「貴方たちは法律法律と騒いでいるけど結果的に自分の首を締める事になりますよ」とおっしゃた言葉を今でも忘れない。当にその通りになった。しかし彼だって、業界の清浄化は望んでいたはずで、法律を忌み嫌っていたわけではない。正しくは、(悪徳業者は今度できる法律でも淘汰されないでしょう)と言いたかったのではないだろうか、その上で、業務上の(束縛)だけが顕著となり、我々の調査活動がやりにくくなるだろう。と先見していたわけであろう。思えば、個人情報保護法、探偵業法、今度は、特定秘密保護法、と、ますます行動範囲が狭められてゆく。先輩には良く銀座8丁目のクラブに連れて行ってもらった。今はもうないが、その当りを通るたびに思い出していた。今夜はちょっと銀座の空気に触れてみようかな。