探偵日記

探偵日記 1月22日水曜日晴れ

今日も寒い朝だ。事務の高ちゃんがお休みなので早く事務所に行かなければならないのにベッドでぐずぐず。(誰かが行ってくれてるだろう)と何時もの悪い癖が出る。昨日は夜歌舞伎町で食事して阿佐ヶ谷に戻ってまた行きつけのおうどん屋さんで少し飲んだ。「さとるうどん」というが、マスターはゴルフのメンバーの一人。うどん屋サンなのになぜかサンドイッチが評判である。というふうに阿佐ヶ谷には面白い店が沢山ある。我が家は這ってでも帰れる距離にあるから安心して飲めるし、迷子になったりする心配がない。

新宿からの帰り道、タクシーに乗って運転手さんに(景気はどう?)と聞くと、「良くなりましたね」と言う。へえ~。と思った。じゃあ悪いのは探偵だけなのか。(どういいの)と聞くと。「ほらお客さん道に沢山人がいるでしょう。去年なんかこの時間にあんなに歩いていませんでした」とか。「とにかくうちの運転手達の売上が確実に上昇していますのでいいんじゃあないでしょうか」と言われれば納得するしかない。では、探偵は自分だけが暇で他はいいのかな?と考えてしまう。

ランチを一緒に食べながら所長が言う。「昨日Sさんのところ ※S君は僕の一番弟子で探偵事務所としては中堅どころ。を訪問して話したんですが、去年(もう事務所をたたみたい)って、思ったみたいです。とのこと。まあS君が何処まで本心を言ったのか判らないが、後輩の僕の息子に弱音を吐くと言うことは、あんまり良くはないのかな。と思った。(果報は寝て待て)(ケ・セラ・セラ)というスタンスで生きてきた僕は、ほとんど悩みを知らないが、普通の人は世間の景気に一喜一憂するものなんだろう。

数日前、ある依頼人の相談を受けた。都内に住む自分の妹のことだと言う。相談者は福島のほうに住んでいるらしい。「実は妹の夫が行方不明になってその相談ですが。・・・・」所在調査か。僕はそう思って聞いて見ると、その内縁の夫は35歳。勿論正式に結婚する約束で式場も決まっている。しかも、妹さんは臨月を迎え後数日で赤ちゃんが生まれるらしい。家出の理由は、お正月に風俗で知り合ったという若い女性を家に連れてきて(何日か泊めてやってくれ)と言われ、妹さんも仕方なく3,4日泊めたという。しかし、身重の妻の前でいちゃつく二人を見て腹が立ち(今日限りで出て行って欲しい)と宣言したら、夫も一緒に出て行きそれっきりと言う。以来、杳として行方が知れず携帯電話も通じない。僕は、相談者の姉に言った。(探す必要はないでしょう。費用をかけて探し出し、婚約不履行とか、養育費のことを求めてもその男性がちゃんと履行するとは思えない。生まれてくる子が大人になって、自分の戸籍謄本を見たとき、父親のらんが空白になって、「何故」と思うかもしれないが、話を聞いた限り、その男性が父親でいることのほうが不都合が多いようにも思われる。皆さんはどう思いますか。ーーーーーーーーーーーー