探偵日記 2月26日水曜日晴れ
例によって、今日は高ちゃんがお休みなので、早々に支度を済ませ9時半事務所着。昨日に続き暖かな日だが、事務所の中は寒々としているので、暖房をつけて新聞を読む。
昨夜、ベッドに入る前、血圧を測ってみた。最初、ベッドに腰掛ける姿勢で行うと、上152、下82.高いな~と思って、ベッドに寝そべる格好で再計測したら、上113、下55とまた随分低い数字が出た。今度主治医に聞いてみようと思うが、ある時、テレビで見たことを思い出した、血圧の低い人が突然脳溢血で倒れたりするという話。低いほうが正常値なのか、はたまた、高いほうが本来の数値なのか。僕は、何事に於いても特別心配性ではないが、気になることはすぐに確かめたい性格である。
今日の午後、福島県郡山市で1週間張込尾行調査を行っていた調査員らが帰京する。100パーセント完璧な結果とは言えないが、まずまず、一定の成果を挙げた調査といえよう。何となく消化不良の報告をするよりも、インパクトのある報告を行う時のほうが楽で、調査員らも達成感が味わえるのではないだろうか。
今週の金曜日、神奈川地方法務局川崎支部から尾行調査の予定がある。勝手に家を出て、一方的に離婚調停を起こしてきた、ある主婦の所在調査で、夫にしてみれば、(せめて住まいだけでも確認しておきたい)と思うのだろうか、見方によれば、(ストーカー)となりがちな調査だが、弁護士事務所からの依頼なので引き受けた。マルヒの言い分は、(夫の暴力に耐えられなくて)というもののようだが、夫は、(誓ってそのようなことはしていない)と言っているようで、弁護士も(信じていいと思う)とおっしゃっていた。古来、夫婦の一方が、(別れたい)と思ったら、愚にもつかないことをでっちあげるものだが、この主婦も、(殴る蹴るに加え、家計の管理も一切任せてもらえず、経済的な迫害にあった)と主張しているようだが、調停が不調になるや裁判に持ち込み、何としてでも離婚したいらしい。子供達は父親の味方をしているそうだからダメなお母さんかもしれない。裁判所の職権で、マルヒ名義の銀行預金を照会した結果、数千万円の残高のあることが判明した。
しかし、そんなことより僕が懸念するのは、(物凄く警戒しているはずです)と言った依頼人の言葉だ。弁護士に聞くと、「今まで散々自分達でやったみたいです」とのこと、だから僕は依頼人に言った。(探偵といっても透明人間になれるわけじゃあありません。相手が、自分は必ず尾行される。といった確信を持って行動したならかなり困難です。)予防線を張ったわけではないが、実際に、そんなマルヒを尾行すれば分るが、電車を乗り降りする、デパートのエレベーターで各階に行く、立ち止まって動こうとしない、そして、どうかするとこっちが尾行されることだってある。依頼人曰く「だからプロの探偵さんにお願いするのです」と。だったら、ケチ臭く自分達でやって気付かれたりしないで、最初から頼んでよ。当日は、女性の探偵を含む総勢4人で臨む予定だが、さてどうなるやら。