探偵日記

探偵日記 6月11日水曜日雨

今朝散歩の頃は曇ってはいたが、まだ雨は落ちてこなかった。気ままなワン公に引っ張られながら1時間、阿佐ヶ谷の住宅地を一回り。大を3回して帰宅。リードを離す時間が待てないかのように用意してあるご飯に飛びつく。考えてみれば、彼の1日の至福の時。それにひきかえ、人間様は1日3回の食事に夜はお酒まで頂く。映画も見れば麻雀もする。面白い本を読んで興奮もするし、カラオケで歌の世界に浸ることも出来る。
知人の話、野犬収容所で殺処分を待っていた3才位の女の子(犬)が愛護団体に救い出され、飼い主が見つかるまで、同団体に登録している家に預けられた。しかし、生まれながらの野良犬だったようで、一向になつかない。家ではケージの隅で震え、食事も家人がいる間は食べようとせず、夜中にそっと食べる。散歩も怖がり、尻尾を巻き込んだまま、チャンスを見つけて逃亡しようとする。勿論、頭をなでようとすれば体をこわばらせ、家人の手からはおやつも食べない。

ところがネットで里親を募集するうち、彼女の写真を見て(是非我が家で飼いたい)という人が現われた。僕はシステムが良くわからないのだが、まずお見合いをして、やがて正式に譲渡(もらわれてゆく)された。それまで預かっていた知人は、(犬好きの、こんなに優しい自分が3ヶ月も大事に世話をしても、決して心を開かなかったあの子が大丈夫だろうか)と心配しながら送り届けたらしい。
それから1ヶ月が経ち、嫁ぎ先に様子を見に行ったところ、可愛い服を着せてもらい、もう何年もいるかのように、パパやママに甘え、広い家の中を走り回っていた。らしい。その人は、「嬉しい半面、何となく淋しい思いもした。」と言っていた。僕は、預かり家での様子を聞き随分心配もしたし、夜、皆が寝静まった後、そっとご飯を食べている犬を想像して泣きそうになったことを覚えている。その子の名前は(ちーず)僕は、(チーちゃんと呼んでいた)おめでとう、良かったねチーちゃん。