探偵日記 10月17日火曜日 雨
一昨日、昨日に続いて、3日間僕の嫌いな雨。心底滅入ってしまう。特に昨日はレインコートを着て出たにもかかわらずズボンがぐしゃぐしゃになってしまった。ただ、依頼人との面談が終わって、銀座の甘味処「若松」でいなか汁粉を食べる事が出来て、いっときの幸せ感を味わった。僕の年代は砂糖が不足しており甘いものに飢えていた。たまに、学校から帰ると養母が「ぜんざいあるよ」と言う。こっちは大の甘党ときている。大喜びしてちゃぶ台に座るとしょっぱいぜんざいが出てきて(な~んだ甘くないじゃん)と不平を言うと「あ、嫌なら食べなくていい」と言って下げられる。まあ、豆の甘みが出て全然甘くないわけじゃあない。兎に角躾けに厳しく怖い叔母だったが、勿論優しいところもあって、二人っきりで過ごした田舎での生活は甘酸っぱい思い出である。
こんなことを書くと(男のくせに)と思われるかもしれないので、あえて書くが、何時もそうだというわけではない。むしろ最近は(酒飲み)の部類に入るだろう。特に寒くなったこの頃は熱燗がいい。昨夜も阿佐ヶ谷のやきとりやさん「鳥久」で、ビールのあと熱燗を2本飲んだ。やきとり、しんぞう、くび、特にこの店の皮は美味しい。ほろよい気分で帰宅した。