探偵日記


2022・08・26 金曜日 曇り




昨日は体調不良の中深酒をしてしまった。ベッドでぐずぐずし10時過ぎに事務所へ。




詐欺師K 2




昭和42年12月、Kは新宿区歌舞伎町にある株式会社鷲羽の営業部長におさまっていた。この会社は設立間もないもので、会員制クラブの経営を目的としていた。社員は20名たらず、全員営業部員で、年齢と元NHKという経歴が買われ採用即部長に任命された。後で分かったことだが社員の5~6名はKの子分みたいな者たちで、いずれも不真面目を絵にかいたような男ばかりだった。彼らは、朝礼が終わるとパンフレットをもって都内の会社を飛び込み訪問し「会員」を募集した。クラブ鷲羽は高級であること、卑猥なショーを売りにして、数か月後にオープンを果たし、ビルの地下にある店舗でホステス30名が客を迎えた。嘘みたいな話だが、店の中央に巨大なベッドを置き客の面前で1組の男女がSEXをする。客の中で希望者があれば女性の相方になれる仕組みも経営者が考案した。Kらは自分たちが入会させた会社社長らを接待し、更に知人を紹介してもらう営業に躍起になっていた。よくこんなことをして当局の眼につかなかったと思うが、まあ、そんなバカげた時代でもあったのだろう。営業部長のKは、金曜日の午後になると何となく落ち着かない様子を見せ、日中何度か外出を繰り返した。・・・・