探偵日記

探偵日記 6月30日月曜日晴れ

先週の半ばから体調がすぐれず、土日の2日間は概ね家で静かにしていた。特にどこがどうというわけではないが、下腹が張っているような感じがすることと、気力が出ない。検査の結果が良かったので安心したか。ただ、相変らず飲酒はやめず普通に飲んでいる。色々と原因を模索してみたが判らない。気温の変化についてゆけない、タイちゃんの散歩が義務付けられ毎朝4時前後に起される、酒量が多い、などが考えられる。

最近の調査依頼は難しいものばかり、その割には費用の設定が低く思い切った業務が出来ない。しかし、依頼人側は大きな期待をし、成果を求めてくる。例えば、「某役所の高級官僚を失脚させたい。100万円でどうか」いくら暇な探偵事務所でも引き受けないだろう。しかも対象となる人物は謹厳実直、役人になるべく生まれたような人だという。どうせ、対象者が失脚すれば自分に陽がさすことを期待してのことだろうが、昔から言うではないか(人を呪わば穴二つ)と。そんなことを考えず今の自分の立ち位置を堅持し、精一杯努力をすることを勧めたい。犬鳴探偵事務所に断られたからといって、決して他の事務所の戸を叩かないことだ。依頼人は100万円をドブに捨てることになる。
反面、可愛い依頼人も居る。「50年前、世話になった人を探して欲しい。費用は20万円でお願いしたい。」聞けば依頼人はもう80歳を越えていて、死ぬまでにひと言お礼を言いたい。らしい。(すでに亡くなっているかもしれませんよ。」と断って、着手金10万円を頂き喜んでお引き受けした。探偵事務所も色々ある。----------