探偵日記 12月26日金曜日 晴れ
ここまで来るともうじたばたしてもどうしょもない。というわけで、20日以降、毎日だらしなく過ごしている。といっても、朝風呂に入り酒を飲むわけではない。ただ、無気力に時間を費やしている次第。昨日も、銀座に赴きエスカイヤクラブで食事した後、時々行く8丁目のクラブに顔を出す。僕の席に、13歳から京都で舞妓の修行をしていたという大柄な美人(僕はとにかく大きい女性が好みである)と、対照的にちっちゃな子が着いた。「舞妓から芸鼓になるには大きくなり過ぎた」と言う彼女。もう一人は「舞台女優を志しています」とのこと。本当に小柄で特徴の無い子だが目力があって、見ようによっては可愛く感じた。10時前に出て、3分前にタクシーをゲット。阿佐ヶ谷に着いてお決まりのスナックへ。7~8曲歌って帰宅。今日は歌舞伎町で同じようなスケジュール。
地下鉄のホームの電光板広告に「探偵の探偵」という本のコマーシャルがある。是非読んでみたいのだが書店に立ち寄るついでが無くまだ手にしていない。実は今から30年以上前、大田区の方の探偵に尾行されたことがある。その後、その探偵と協会で顔を合わせたが向こうも何にも言わないしこちらも黙認した。結果的には、その探偵社は僕を備考出来なかったようで、たまたま他の調査員を尾行して、調査員が僕の家に来たため僕の住所が判ったらしい。依頼したのは、僕に片思いした依頼人で、暫くストーカーされた。また、逆に、僕の事務所で同業の探偵を尾行したことがある。その時の依頼人は「詐欺師」だったが、大田区の探偵と違い、こちらはパーフェクトで終了した。両方とも、マルヒは尾行に気づかなかったが、当時の僕は毎晩歌舞伎町で飲んだ後、徹夜マージャンでほとんど家に帰らなかった。反対に、僕の事務所のマルヒは居酒屋で飲んだ後真っ直ぐ家に帰ってくれた。