探偵日記 4月7日火曜日 雨
このところ寝不足が続き頭の芯が痛い。あまり悩まない性質だし、今までもこんな経験は無いが、今回はほとほとまいった。原因は一人の女性である。といっても僕の愛人とか恋人ではない。さる企業の社長の彼女である。もう5年ぐらいの付き合いだが、社長に若くて綺麗なガールフレンドが出来たため、距離を置かれ、そのうち、彼女のあまりの執拗さに閉口した社長が携帯電話を着信拒否にしてしまった。52歳対25歳では勝負あった。になり、(棄てられる)と感じた彼女が必死になって関係の修復を図って右往左往している状況だ。もともと売春を生業にしていた彼女は頭も悪く、折角掴んだ金の玉を手放す羽目になった次第。ということで、僕はさっき心療内科の診察を受けた。結果は、(ノイローゼ)だと言う。さあどうしたものか。
インターネット 3
調査員の一人がミーティングでこんなことを言う。「昨日の裁判で独り妙な奴がいました」(ふ~んどんな奴?)僕が聞くと、「確か前回もその前も来ていたと思うんですが、昨日、ちょっと尾行してみたら、霞が関駅に降りて例のサリン事件の現場の写真を撮っていたんです」聞くと、別班の調査員2名が追尾したところ、何と、新幹線で京都まで行き市営バスの営業所に入ったらしい。
その後の調査で、その男の自宅や家族構成、勿論、勤務先なども確認できた。しかしだからといって、上場企業の役員らを誹謗していると言う証拠にはならない。さらに調査は進む。すると、問題の鉄腕アトムのホームページのIPアドレスと勤務先の何かの番号が一致した。よしこいつで間違いない。そう思った僕は、以後、鉄腕アトムこと、京都の男を徹底的にマークし、その行動から傍証を積み重ねて一連の書き込みの犯人を特定した。--------------------