探偵日記

探偵日記 4月20日月曜日 雨

先輩が良く言っていた「70歳を過ぎるとがくっとくるよ」その先輩は僕より3歳上だからどうしても比較するんだろう。50歳の時、60歳の時、或る時は、「67を越えると全然違うよ」などと、細かく言ったりしていた。僕は(そんなことはあるものか。俺は70過ぎても元気で居られるはずだ)先輩を立てて異を唱えることはせず内心そう思っていた。しかし、去年の70の誕生日を過ぎたあたりから体力ががくんと落ちて、この頃は気力も失せたようで、本物の(前期高齢者)の域に入ってしまった感じである。例を挙げると、まず第一に夜が弱くなった。まあ、朝の散歩があるせいもあるが、0時を回って飲むことが恐怖になった。(天国に一番近いスナック)「ほろよい」の常連の婦人達は、時計を見ながら帰りたい素振りをすると、「まだ11時半じゃあない」なんて言いながら頼みもしないのに勝手にリクエストして阻止しようとする。自分達は、日がな家に居てネコの相手をしながらボーっとテレビなんか見て過ごし、暗くなると、さあ行くぞ。って感じで食事をした後繰り出してくる。
 昨日は特に辛かった。ゴルフを終えて、パーティに出てから8時前にほろよいに行ったのだけれど、疲労がピークに達した感じで(早く寝たい)と思い10時半過ぎに強引に脱出した。今朝、4時50分に散歩。僕が疲れているのが分るのか30分ほどでさっさと家に帰ってくれた。朝食のあとベッドに入って、目が覚めると10時だった。あ~あ休みたいな~。

Mという女 5

今日もお話だけかな~と思っていたら「シャワーなさったら」と言う。じゃあそうさせていただきます。と言って、浴室から出てみると客はホテルに備え付けてある浴衣に着替えて待っている。Mと交代して浴室へ。先にベッドに入って待っているとおずおずとベッドに上がり正座した。(まったくなんだよ)内心悪態をついたが勿論口には出さない。その後、Mが誘導する形で交わったが数分で終わってしまった。

時間はまだ2時間以上残っている。(もう一度するのかな)と思っていると「フリートークしましょう」と客が言う。昨日と同じようにまた世間話が始まった、Mは初回の客に対し、それとなく、自分はまだこの世界に入って数日しかたっていないこと、都内に住むサラリーマンの妻で子供が二人居ること、夫の給料では生活が苦しく子供を塾にも通わせることが出来ない。等と言い、平凡な主婦を強調した。客も他愛ないもので、学生のアルバイト、と言われればそう思うし、歴とした主婦。と言われれば信じてしまう。昔から(一盗、二脾、三妾)といわれるように、世の男性にとって、一盗、他人の女性、例えば、人妻とか、友人の恋人を寝取るのが最も刺激的だと言われている。ちなみに、二脾とは、その家の主が女中に手をつけることで、三妾は文字通り女性を囲うことのようだ。Mの場合少し違うが、お金はかかるものの、一と二を混ぜたようなものかな。と、僕は思う。まあ僕はケチだし、ガールフレンドは人妻も学生もホステスもいるからこんな所に行く必要は無いが。

Mは、二日続きのこの客に対し何時ものように、このアルバイトを始めてまだ日が浅いこと、夫や子供もいること等、話してある。客の男性(これからはS氏と呼ぼう)も、自分は宮城県の出身で、勤務先も仙台にある。仕事の関係で東京には良く来る。勿論、家庭もあって子供も三人いる。等と言い、「貴女とは気が合いそうだ。これからも指名したいから出勤する曜日を教えて欲しい」などと、Mの喜ぶことを言ってきた。実際に、その翌日も次の日もやって来たのだが。------------------