探偵日記

探偵日記 11月12日木曜日 曇り

寒い朝だった。昨夜少し飲みすぎて起きるのが辛い。相変らずゴルフの調子がいまいち。昨日も、何時もボギーかダボのスタートホールでパーを取り、ん、今日はいい予感がするぞ。と、思い、エーデルワイスINの5番ホールのショートホールまでまあまあできた。距離150ヤード。各ホールどれもそうなのだが、至る所に罠が待っている。ピンは大きなグリーンの右端に切ってある。ちょっとでも短ければ深いバンカー。それを越えるとOB。左側に乗せることは容易い。しかし僕は、7番ウッドで果敢にピンをデッドに狙いショットした。少し力が入ったのか打球は大きくフックしOB。同じコンペ仲間がグリーン奥で腕を丸くして喜んでいる。第2打目、打球はピンを刺すように飛ぶ会心のショット。ところが、ほんの数センチ足らず、バンカーの枕木に当たって大きく跳ねてまたもやOB。上がってみればパー3のところを8。これで本日のゴルフは終わった。ゴルフは本当に難しい。中でもこのコースは魔女の如く僕を翻弄する。

おもろい探偵たち その1)私立探偵A 1-2

そのたった一人の従業員である女子事務員は、Aの元妻。十数年前結婚したが子宝に恵まれずにいたところ、Aに女が浮気して、しかも子どもまで出来たものだから泣く泣く別れて一人暮らしをしていた。彼女にはちょっとした資産があったので、それはそれでゆったりと生活し、時々訪れるAの不倫相手のような形で関係は続いていたらしい。いざ独立に当たって、開業資金を無心された挙句、無給の事務員としてかりだされたが(惚れた弱み)ってやつで、毎日本宅から出勤するAの顔が見れるので、少しばかり幸せでもあった。Aは一滴の酒も飲めない男だが、ハンサムな上に物言いは優しく、生来の女好きでもあったから、開業以来、依頼人の婦人とかたっぱしから口説いた。本妻も大層なやきもち焼きだったので、元妻とタッグを組んで行状を暴き立てる。
或る時、やはり依頼人の奥さんとねんごろになったが、Aが自慢げに言うには、何と、隣の部屋で夫が寝ているところで関係したという。そのうち、この夫婦は離婚し、奥さんはAと同棲。やがて、本妻も元妻も彼女を認め、本妻、妾、元妻の3人に守られて、せっせと浮気三昧に暮らしている。しかし、Aはその後雇った探偵見習い達には「依頼人と関係を持ってはならない」と戒めたそうな。-------------------