探偵日記 02月10日金曜日 晴れ
昨日は郷里の先輩と赤坂で食事して、その後、最近オープンした赤坂のクラブにでも行こうかと思っていたら、歌舞伎町のママからメールで、「今日来ればハーレム状態でもてるわよ」との由。生来女好きでスケベな僕は瞬時に予定を変更した。雪からみぞれ、やがて雨になった見附からタクシーで一直線、20時半頃歌舞伎町に着いた。勇んで店に入ってみると7割がた埋まっており、反対に、荒天を予想して休みのホステスもあって、僕たちの席に着いたのは入店してまだ数日の子と、ウバ桜(しのちゃんゴメン)やがてやってきたママに(嘘つきなにがハーレムだ)と文句を言ったが後の祭り。もう60近いだろうママは艶然とほほえみ知らん顔。帰りに、「よくぞ来てくれたサンキュー」と、ほっぺにチューしてくれて終わり。最近の僕はだいたいこんな感じで、帰りのタクシーで大いに反省する。
今やっている身元調査、少し考えさせられる現象が起きた。年齢31歳、未婚との申告。お屋敷町で有名な成城学園5丁目に家族とともに住みメガバンクに勤務中。しかも出身校は三田のK大。決して美人ではないがおっとりとした雰囲気のお嬢様。住所地における聞き込みの結果も瑕疵は無く、総じて、(配偶者としてみた場合特記すべき懸念は無い)評価である。ところが、父親の住民票を見てエッと思った。普通、住民票には、世帯主の父親から、世帯主の妻、長男、長女、次女、(最近は子供たちの続柄を廃し、いずれも子と記載される)というふうになっており、各人の本籍は世帯主である父親と同じである。
ところが、マルヒ(本件の場合次女S子)の本籍だけ異なり、しかも筆頭者が本人になっている。(どういうことだ)僕をはじめ調査員たちが首をかしげた。----