探偵日記 04月09日月曜日 晴れ
また新しい1週間が始まった。今週は勝負の週である。珍しく依頼が重なりその契約や着手金の交渉が悩ましい。ご依頼人にとって、喫緊の課題というか発生した問題の解決のために、何かしらの調査が必要だ。とは思っているのだが、最近よく言われる言葉に「費用対効果」というのがあって、経営者としてはまずその計算が先に立つ。しかし、話を聞きながら僕は、(そんなことで躊躇していたら大きな危機を招き、やがて防ぎきれなくなるのにな~)と思ってしまう。これが、依頼する側と「探偵」の難しい鬩ぎ合いである。
株式会社ティー・ディー・エーの歴史
< 草創期 >
叔父のレクチャーを受けて、(ああ、これは良い仕事だ)と思った僕は、短期間で叔父の元を離れ、新聞募集で知った興信所「日本商工リサーチ」に応募。即決で採用された。ここで1年間、会社及び個人事業主を対象とした「信用調査」をやり、そこから、本格的な探偵業に軸足を移す。昭和44年10月、千代田区内神田にある「東京探偵事務所」に応募。ここでも即決採用され、その日から尾行調査に駆り出された。後で知ったことだが、東京探偵事務所は出来たてで、調査員の採用も僕が第1号だった。面接に行った日、現場が2つあって、新規に入った方を僕にやらせたらしい。叔父、そして日本商工リサーチと2年ちょっと経験があるので、全くの素人ではないが、僕は、東京探偵事務所の面接で、(未経験)と申告した。のにである。いくら人手が足りないからって、面接したばかりの者にいきなり現場は無いだろう。しかし、何事も深く考えない僕は、喜び勇んで現場に赴いた。---------