探偵日記


2022・04・23 土曜日 ☀




朝から気分が悪い。理由は花粉症でくしゃみと鼻水が止まらないこと。友人に貰った飲み薬は(眠くなるので夜休む前に)と言われているので耳鼻科でもらった漢方を飲んでいるが一向に効かない。それと、大量に送られてくるメール。勿論頼んでもいないのに1日最低50通は入る。これを消すのが一仕事。稀に大事な仕事がらみのものもあるので一つ一つ読まなければならない。日々二重にいらいらしている。




奇妙な依頼人 5-1




今回書くSという依頼人は、奇妙というのではなくゲス男。数十年経った今も思い出すとはらわたが煮えくり返る。では思い出さなきゃあいいじゃあないか。という読者もいらっしゃるだろうが、当時、この依頼人を取り巻く環境を無視というか避けて通れないからである。                      当時、我が貧乏探偵事務所は東京都内でも大手と言われる規模になりつつあった。決して取り柄のない僕がなぜそうなったかというと、某大手不動産会社の社長に可愛がられ潤沢な支援を得ていたからであった。ゲスのSはその会社の部長代理。幇間(本物の幇間は芸もあり頭も悪くないが)よろしく、上司のご機嫌を取るだけの男で、お情けで得た立場だったと僕は思っていた。したがって、毎日のように社長に呼ばれ歓談する僕を(単なる出入りの業者)と見ていたようで廊下などですれ違っても無視された。                    そんな或る日のこと、エレベータで絶世の美女と遭遇した。まさにい、クレオパトラか楊貴妃か。と思わせる女性で年齢は20代後半か。数年後、その美女を尾行することになるのだがーーーー