探偵日記


2022・04・22 金曜日 ☀




数日安定しない天気が続いたが今日は快晴、定時に事務所に着いた。今日はやることが多い。多分雀荘には行けないだろう(笑)




奇妙な依頼人 4-2




最初の依頼はあっさり終了。ありきたりの報告書をもって訪問。しかし、先方はいたく感激し次々と頼んできた。まあ、世の中好景気に沸いていたので、僕の探偵事務所も大層潤っていたし、気が付けば調査員も20人以上になっていたから、その得体のしれない会社も大事な顧客の一つとして丁寧に対応した。ある日のこと、ちょっとした用事があって訪問すると、一足先に十人以上の男性がその会社に入ってゆく。何か不穏な気配を感じた僕は事務所に戻った。        数日後、その一団は検察庁の係員だったことが分かった。散々マスコミを賑わす結果となったのだが、地金の売買に絡み、偽の証書で顧客を騙し、3000億円の詐欺事件に発展し、挙句の果て、大阪のマンションで責任者がヤクザに刺殺された。僕は、知らなかったとはいえ大変な会社から報酬を得ていたことになる。以後、同様の大型詐欺事件が続き、これらの主犯たちがその会社の残党であったらしい。世間は、騙す人に騙される人が後を絶たない。まさに、(目あき千人めくら千人)とはよく言ったものだ。ただ、探偵が往々にして詐欺犯にいいように使われる羽目になる。ーーー