探偵日記


2025・04・04 金曜日 ☀




やっと晴れた。この時期だから菜種梅雨というのだろうがうっとうしい数日だった。というわけで、今日は早起きして9時には事務所へ。ただ、悪天候のせいで、僕が探偵になって50数年、愛用している「能率手帳」を読み返してみた。ご依頼人の名前、調査の内容(内容については読み返すことも無くすべて瞬時に思い出せる)頂いた調査料など。ただ、驚くことに、今の10倍の報酬が記されていた。誰かが言った「少しでも貯金していればこんなに困ることは無かったでしょう」と。確かに、しかし、強がりを言うわけではないが、貯蓄とか利殖なんて言葉や文字は僕の辞書には無い。




空飛ぶ依頼人 1




平成の、もうバブルがはじけて数年たった頃、40歳手前と思われるご婦人が「弁護士の先生に紹介されて」と言って突然いらっしゃった。当時のわが事務所は、同業者が「銀行みたいだ」と言うぐらい整然とし、特に、僕の部屋(応接室も兼ねていた)は、華美にすぎない程度に豪華だった。訪れた依頼人は物珍しそうに見まわしていたが、調査の内容は単なる夫の素行調査で、3日ほどの尾行であっさりけりがついた。数日後、訪れた依頼人に報告書を見せ30万円ほど集金したのだが、その後、依頼人が言った言葉に衝撃を受けた・・・・・