探偵日記


2021・03・27 土曜日 晴




弥生3月も残りわずかとなった。他の事務所のことは分からないが、我がTDAは何とか凌いでいる。それにしても、昭和58年頃から続いたバブルの10年間は何だったのだろう。文字通り、ちょっと風が吹けば散ってしまう泡だったのか。




平成2年の某日、可愛がってもらっている社長のところに行き、話の流れで(団地に住んでいる)と言ったら、その社長が「それじゃあ奥さんがかわいそうだ」と言い、専務を呼びつけ「ああ、福田君にあの練馬の新築の家をプレゼントしなさい」ということになった。3年前、「日本一の探偵事務所を作りなさい」と言って、伊勢丹の近くの新築ビルの1フロア―を借りてくださり、訪れた同業者が驚くような事務所を(プレゼントしてくれた)人である。早速調べてみるとその練馬の家は5億円相当のものだった。しかしほどなくバブルは崩壊しその話は実現しなかったが、いつの世にも豪傑はいるもので、倒産して何もかも失ったが、その後、何度お会いしても(あの時君にこんなこともしてやった)などと恩ぎせがましいことは一度も言わない。勿論、僕も彼の依頼で何度か仕事をしたが調査料を請求しなかった。まあ、当たり前のことだが。このコロナ禍どうしていらっしゃるかと思いを馳せる。