探偵日記 6月18日木曜日 曇り
今日は僕の71回目の誕生日。まあ、あんまり嬉しくもないが、周囲はお義理でも放っておけないらしくお祝いをしてくれる。昨日はうなぎ会席とやらで素晴らしく綺麗なお店でご馳走になった。今日はメインイベント。勿論、見張り番(奥さんのこと)と、エスカイヤクラブに行く予定。明日も予定があったが、明後日の土曜日人間ドッグのためドタキャン。ごめんなさい。しかし、思い返せば、日本が戦争に負けて朝鮮から引き揚げてきたのが満一歳のとき。栄養失調で未熟児みたいなガキが良く今日まで生きて来れたものだと感心する。生きることには比較的淡白な方だと思っているが、体はしぶといのかも知れない。まだ死というものは実感は伴わないが、郷里の同級生は2割がた亡くなっているし、もうそろそろ(ごめん)という奴も何人か居る。元気なうちに顔を見ておこう。ということで、来月11,12日同窓会が催うされる。
教師と教師 13
このところ夫婦生活こそ疎遠になったが、妻は妻である。他人が自由にしていると思うと面白くないし、怒りもこみ上げてくる。ところが、調べてみたら自分の関係者であり、多少恩義もある人物だった。今ここで自分が騒ぎ立てた場合、相手はともかく、教職にある妻は困るだろうし、自分も、その人物に世話をしてもらって今の職場を得ている。何となく、三すくみのような感じで落ち着かず、離婚を持ち出す決心もつきかねている。報告書を読んでから、それとなく妻の様子を観察すると、男と会うタイミングも分ってきた。(ホテルの前で偶然を装って待ち伏せしようか)或いは、例のコンビニで(あれ、こんな所で何してるの)と言って、さあこれからホテルに行こう。としている二人の邪魔をしてやろうか。等など思いを巡らせているうちに1ヶ月経った。
探偵の犬鳴氏は、「どうしても許せないという場合には、二人に損害賠償の請求もするべきで、弁護士から、相手の男性宛に内容証明を出してもらい、それが開戦の火蓋を切ることになるでしょう。そうして、奥さんや相手の出方を見るのも一つの方法だ」と言っていた。そうするとどうなるか?大体3つの反応になるだろうとも言う。1、二人が口裏を合わせて否定する。2、事実を認めた上で謝罪し、損害賠償の額を下げるよう頼んでくる。3、開き直って離婚の方向に進む。その場合、損害賠償も裁判に委ね支払ってくる。のようだ。小山内は、まず、1でくるだろうな。と思った。二人の立場から決して認めるわけにはいかないだろう。-----------