探偵日記


2022・09・01 木曜日 今は☀




とうとう今年も残り4か月、本日は旧で言うところの二百十日、天候の荒れる日とされている。遅々として進まない調査を案じつつ、今日も頭痛薬を飲む。




詐欺師 K 5




それから数年後、神田駅前のミルクスタンドでばったり会ったKは、二日酔いらしく、思い切りジュースを飲んでいた。聞くと、「近くのビルの1室を借りて会社を経営している」と言う。「遊びにおいでよ」と誘われて、興味津々同行した。7~8坪の広さ。机が3つ、電話が1本引いている。Kと、Kの友人N、それに目を見張るような可愛い女の子が一人。総勢3人のこじんまりした会社だが、社名は「児童情操研究所」と素晴らしい。(何をする会社?)と聞くと、Kはにんまりして「一応、子供向けの絵本」を作る予定だという。しかし、ガランとした事務室にはそれらしきものは何もない。数日後、暇にあかせて再び訪問すると、例の可愛い女の子一人ぽつねんと留守番していた。             すると、事務所の電話がけたたましく鳴り女の子が、これも素晴らしくいい声で(ハイ、研究所です)と出る。驚いたのはその後、彼女は受話器を置き、何やらスイッチを入れた。すると、社内アナウンスを装って(K部長外線が入っておりますお近くの電話をお取りください)という声が流れ、数秒後、再び彼女が電話の相手に、(大変申し訳ございませんKは外出しているようです。)と応対した。なんのこっちゃ。・・・・・・