探偵日記

探偵日記 01月16日木曜日 晴

昨日、家を出て1時間ほどして気づいた(何とズボンのベルトをしていないことに)まあ、それでずり下がって来ることはないのだが、何となく、文字通り(しまらない)ので帰宅する。
このところ、家を出る際、十分気を付けても何か忘れてしまう。最悪はスマホだがその他、スイカ、鍵、本、傘、その日によって様々だが、わざわざ取りに帰るほどではない場合が多い。
だから、予定についてはしっかり手帳にメモするほか、トイレのカレンダーにも書いておく。今のところ大きな災いに至らずどこからもどなたからもお叱りは受けていない。(笑)

新宿・犬鳴探偵事務所 16

新しく探す事務所は新宿駅周辺、基本的には現在の電話番号が変わらないところ。犬鳴の構想としては30坪以上。ところが思わぬ弊害があった。毎日のように、仲介業者と候補のビルを見に行くのだが、いずれも断られた。理由は(業種が悪い)ということ。顧問弁護士に愚痴ると「いやあ僕たちもなかなか貸してくれないんですよ。何かあると煩いやからと思われるのでしょうね」と言われ、喜び勇んで行動を開始したが思わぬところでとん挫してしまった。
その後も、仲介業者から「物件を見てくれ」と言われてその都度足を運ぶ。その中に犬鳴がたいそう気に入ったものもあり、申込書を提出して、ビルのオーナーに面接したこともあったが、そのいずれもことごとく断られてしまう。(今までそんなことはなかったになあ)と思うのだが、ここ10年は自社ビル、じゃあなかった自社部屋だったから世の中の変化に気づかなかったのかもしれない。
というわけで、折角救いの神が現れたのに最初の段階でつまづき、(あ~あ、どうしよう奥さんの気が変わらなきゃあいけど)ともやもやする毎日だった。
そんな頃、というか数年前からだったが、知らない探偵事務所からしきりに手紙が届くようになっていた。何だろうと思って読むと、彼らが作った団体に入れという誘い。どうやら我が国に三つの団体が出来ているようだ。「日本探偵教会」「日本総合探偵社協会」「全国探偵教会」んあど、みな似たような名称で同業者に加盟を勧めていた。これまでは、(群れる)ことを嫌っていた犬鳴だったが、探偵は事務所一つ借りることが出来ない境遇に一抹の不安を抱いていた時でもあり、(彼らはどんな連中で、どんな手法で仕事をしているんだろうか)という興味も沸いた。・・・・・