探偵日記 11月09日木曜日 晴れ
昨日のゴルフ「二水会」今までエーデルワイスゴルフコースだったのが、コース名が変更になり「オリムピックナショナルゴルフクラブ」となった。とかくの風評のある「熊取谷」(漢字は間違っているかもしれないがイスタニと読む)が経営する会社のコースである。コースそのものは僕は好きで、2か月に1回行われるコンペを楽しみにしている。それはさておき我が家の一大事を書く。パーティはコースで行うが、阿佐ヶ谷に帰ってから恒例の二次会に出た。散々飲んだり食ったりして、ああ、疲れたな~。と思って帰宅すると、ニャ~ンと鳴いて何時も出迎えに来る「リボン」が居ない。アレッと思って、リボン、リボンと大声で呼ぶと、何時も僕が座っているテーブルの下で寝ている。心配になって僕がさらに大きな声で声をかけると、大儀そうに顔を上げ小さな声で応じた。我が家にいた猫の末っ子で、24歳近い。母親は妻の実家で飼われていたメス猫。出入り自由の実家は猫用の通路もあって、お腹が空いたら帰ってきて、遊びたくなったら勝手に出て行く。かなりの遊び人(否、猫)だったようで、次々とお産をして、一時実家は猫だらけになった。その子らを1匹づつ貰ったもので、いずれもパパは違う。最初に来たのが「くつした」(娘が命名、メス)数か月後に真っ黒な「てぶくろ、オス」が来て、最後にリボンちゃんがやってきた。みんな娘が名前を付けたが、くつしたが19歳。てぶくろが20歳でそれぞれ亡くなった。
くつしたは愛想の良い娘で、特に僕になつき食事中膝の上に居ることが多かった。てぶくろは男の子らしく、へんに媚びたりしないで堂々と生きていたように思う。そして末っ子のリボン。誰にも触らせず呼んでもほとんど知らん顔。くつしたとは真逆の愛想の無い子だった。ところがお姉ちゃんとお兄ちゃんが居なくなってから変わり、うるさいくらい良くしゃべるようになった。朝はお早うと鳴き、早くご飯をくれと鳴く。夜僕が返ると、まるで「遅かったじゃないの」と言って怒ったように鳴いた。
毛づくろいはお姉ちゃんのくつしたがやっていたので、くつしたが居なくなってから厚い毛を纏ったままの、ちょっと変な体型なった。爪を切ってやる時など抵抗して妻は血だらけになった。
今朝何時ものように(ごはんですよ)と起こされリビングに降りると、「何か感じない?」と言われたが、僕は気づいていた。まず、リボンのおはようの挨拶が無いし、食器も見当たらない。「向こうの部屋に寝かせてるよ」と言うので行ってみると、半目を開けて、可愛い顔で寝ているリボンが居た。
24年余り、外の世界を見ることなく、ただご飯を食べて寝る日々、恋もせず、果たして幸せだったのだろうか。明日お葬式である。