探偵日記

探偵日記 12月11日火曜日 曇り

今日も寒い。僕は寒さに弱い。子供の頃、時間になっても布団から出ようとしない僕に、養母は「学校に行きたくないなら行かんでもええ、どうせ嫌々行っても頭に入らんじゃろう」と言ってずる休みを奨励してくれた。そして、1日中花札をしたり、(読切小説)とかいう大人の雑誌を読んで過ごした。世の中にこんな「親」はいないと思うが本当にユニークな女性だった。大酒のみで話し上手、特に、僕の父親のことをこき下ろす時は圧巻で、子供心に(本当にダメな男だったんだな~)と思った。まあ、20年後再会した父は養母の言う通りだったから彼女が嘘を言ったわけではない。それにしても、子は親の歩んだ道を歩く。というが、僕は容姿も性格も父親そっくりらしい。そんなダメな男を父親に我が子たち、つくづく可哀そうだと思うこの頃である。
仕事について、(果報は寝て待て)という言葉がある。事務所を開いて46年、僕はこの言葉を信じ実践してきた。しかし、(ちょっと様子が違うぞ)最近そう思い始めた。しっかり寝て、朝になっても「果報」(いい仕事のこと)はやってこない。昔は、年末になると思いがけず大きな案件が入ったものだ。3年前だったか、1件の行動調査で5000万円集金した。以来、とんと音沙汰なしで平成最後の年末を迎えようとしている。まあ、ケ・セラ・セラ でいこう。