探偵日記 07月30日火曜日 晴れ
怒涛のような数か月である。あまりの変化に体調も崩し気味で気持ちのほうもついて行けなかったが、7月も終わりに近づき何とか慣れてきた。昨日も、某新聞社のベテラン記者とご依頼人を引き合わせ、少なくとも一方は満足してくれたようだった。お二人はまだ帰るそぶりは見せなかったが、僕がせかす形でタクシーに乗りお開きにした。ベッドに入っても考えることが多く、眠れぬまま6時には起き、屈伸運動をやり机に向かっている。今日はスクールもあり、午後銀座の法律事務所へ行く予定。その事務所から依頼を受けている仕事で、調査員たちは昨夜も0時過ぎまで解放されなかった。探偵事務所は「受件と報告」で成立する。我が貧乏事務所も勿論例愛ではなく、僕が仕事を拾ってきて、調査員たちが実際の調査業務をこなす。そして、報告書という「商品」をご依頼人に渡し、調査料をただいて終了である。さらに、求められればその後の始末のつけ方の相談にのり、場合によっては一役買うこともある。ここまでやって、はじめて探偵冥利を味あう。まさに、幻冬舎の編集者がいいっていた「探偵は人の不幸に立ち会う職業」なのかもしれない。