探偵日記

探偵日記 07月29日 月曜日 晴

昨夜、昔ながらの佇まいをみせる中華店で夜食を摂った。入ると愛想の良いおかみさんが出迎えてくれ、カウンターに男性が一人いた。客かなと思っていたら僕を見て素早く調理場に入る。(ああ、あれが亭主か)僕は、飲み物に続いて3~4品注文。すると何が気に入らなかったのか、亭主がおかみさんを怒鳴り始めた。包丁を調理台に叩きつけ「この愚図野郎」などと大声で攻め立てている。おかみさんは小声で言い訳をしているようだ。よっぽどこちらも怒鳴って出て行ってやろうと思ったが、それじゃあもっとおかみさんの立場が悪くなるだろうと考えがまんした。しかし、出てきた料理の味は良く、そのうち、一人二人と客も入りやがて満席になった。狭い店で夫婦でやっている。それで客の前で夫婦喧嘩も無いだろう。場末の中華店にしては結構な料金を請求された。味はいいがもう二度と行くことは無いだろう。
探偵もそうだ。僕は依頼人と喧嘩をしたことはないし、否定や反論することもない。しかし、調査結果が依頼人の意にそわないことや場合によっては間違うこともある。50数年の探偵稼業の中で数回、言い訳のできないようなミスを犯したこともあった。僕の事務所では「失尾」(尾行に失敗すること)したら料金を頂かないことにしているし、その後の仕事で結果を出し名誉挽回を図っている。中華店の主人は(旨いものを食わせてやてるんだからそれでいいだろう)と思ってるのかもしれないが、少し違うかな~