探偵日記 08月21日水曜日 晴
昨夜眠れぬまま04時、息子に手紙を書いた。パソコンもあるのだが機械が不調で印刷できない。仕方なく万年筆を持った。父子というものは不思議な関係で、母子の様にはいかない。世間は、母親の存在は絶対で、父親の影は薄い。ましてや、これまで父親らしいことを何一つしてこなかった僕にしてみれば、今更父親ぶった文字もかけず、通り一遍の淡々とした文になってしまった。ただ、「終活」を計画した父親の気持ちや言いたいことは書けたと思い封をする。午前五時、果たして新人類はこの手紙を読んで何を思うか。
昨日、長年お世話になっている弁護士から携帯に電話があり、「1週間後、依頼人が事務所に来るから君も一緒に相談に乗ってやってくれ」と言われた。勿論、否の判断は無い。僕は喜んで承諾する。大げさに言うと「捨てる神あれば拾う神あり」もう50年もの長きにわたってこれの繰り返し。息子にも(もう少し頑張ってみる)と書いた。娘には「死ぬまで働け」と宣告された。老コナンは疲れた体に鞭打って、東京砂漠を今日も行く。