晴、今日は勤労感謝の日で国の祭日。昨日は終日ベッドのお守りをして過ごした。いくらか元気が戻ってきた感じがして報告書の作成にとりかかった。今週報告の予定だ。弁護士事務所を訪問したり、依頼人との面談など、僕本来の業務が全くないのが淋しい。タイトルを「新宿・犬鳴探偵事務所」と銘打った3冊目も終盤を迎えたが何となく書く気がせずとん挫している。というのも、このところ雑用が多く気分が安定しない。僕が言うのもなんだが、プロの作家がホテルに籠る気持ちが分かる。何事も集中しなければならないようだ。と、いいながら、頭の片隅に東西南北、白發中が浮かぶ(笑)
不倫 7
そんな或る日、依頼人が地元の警察に呼ばれた。連絡を貰った僕は何だろうと思ったが、調査は隠密裏に進行しマルヒに気づかれた心配もない。訝しく思いながら警察を訪れた依頼人から「今警察に行ってきました。」と言いながら笑う。さらに、「全く呆れました。夫が、私に脅迫されたって訴えに行ったらしいんです」なんじゃあそれ。呆れながら聞くと、前々日、鍵をかけて閉じこもり会話が叶わないのでドアに伝言を挟んでおいたらしい。内容は、中学生の娘が県大会に出場することが決まり、新しいユニホームを買ってやりたいから少し貸してください。というものだった。夫は警察で担当官に、だから妻に脅迫された。と訴えたらしい。話を聞いた警官は、笑いながら依頼人に(ぶん殴ってやろうかと思いました)と言ったらしい。(法は家庭に入らず)という言葉がある。子供がお母さんの財布から小金をちょろまかした。などの家庭のいざこざは家庭内で解決しなさい。ということだが、最近はそうも言ってられない。親が子供を虐待したり、夫が妻にけがをさせるほどの暴力を振るったりしたらその限りではない。だから警官も無下に断れなかったのだが、結局、夫は体よく帰えされたようだ。僕は、男子の面目もここまで堕ちたか。と大いに嘆いたことを思い出す。不倫をしてもいい。などとは口が裂けても言わない。しかしである。一定の常識や品格を持ってやってもらいたい。僕も男だが、おしなべて男のほうが女性よりケチである。金銭的にも精神的にも・・・